春の薬膳スパイスカレー
スパイスカレー作りは、実は薬膳の世界に入る前から続けていた習慣のひとつです。
香りを重ねていく楽しさや、体にじんわり作用する感覚がとても好きです。
そして薬膳を学んだ今、あらためてスパイスを見てみると、
その多くが「理気(気の巡りを整える)」や「温中(胃腸を温める)」といった、まさに薬膳の考え方と重なる働きを持っていることに気づきます。
春は、気の巡りが滞りやすく、ストレスや不調が出やすい季節。
だからこそ、香りの力で巡りを整えるスパイスカレーは、とても理にかなった一皿です。
今回は「春」をテーマに、巡りを促しつつ、胃腸にもやさしい薬膳スパイスカレーを紹介します。
このカレーの薬膳的ポイント
今回のカレーは、
- 気を巡らせる(理気)
- 胃腸を整える(健脾・温中)
- 軽く熱を冷ます(清熱)
このバランスを意識しています。
特にポイントになるのが「陳皮」と「花椒」。
どちらも香りで気の巡りを整える食材です。
非常に繊細で、加熱しすぎると香りが飛んでしまいます。
そのため、仕上げに加えることで、春らしい軽やかな巡りを引き出します。
今回は白米の代わりにバスマティライスを使用しました。
「香りの女王」とも呼ばれ、軽やかで上品な香りが特徴。春らしい仕上がりにしています。
少しマニアックな方向けに、各食材に薬膳的な効能も添えています。
組み合わせの意味もあわせて楽しんでいただけたら嬉しいです。
今回使用したスパイス

・クミン
・コリアンダー
・ターメリック
・フェンネルシード
・シナモン
・陳皮
・花椒
レシピ:春の薬膳スパイスカレー

材料(2〜3人分)
〈具材〉
・鶏もも肉 300g(補気・消化サポート)
・玉ねぎ 1個(理気・巡り改善)
・トマト 1個 or トマト缶200g(清熱)
・にんにく 1片(温中・健胃作用)
・生姜 1片(温中・止嘔・解毒)
〈スパイス〉
・クミン 小さじ1(理気・消化促進)
・コリアンダー 小さじ1(健脾・消化サポート)
・ターメリック 小さじ1(活血・巡り改善)
・フェンネルシード 小さじ1/2(理気・巡り改善・胃腸サポート)
・シナモン 少々(温め・血流改善)
〈仕上げ〉
・陳皮 小さじ1(理気・脾胃強化)
・花椒 少々(理気・温中)
・パクチー 適量
・塩 適量
・水 100ml
・牛乳 100ml
・油 大さじ2
作り方
- フライパンに油とフェンネルシードを入れ、弱火で香りを出す
- にんにく・生姜・玉ねぎを加え、茶色くなるまで丁寧にじっくり炒める
- トマトを加え、水分を飛ばしながらペースト状になるまで炒める
- パウダースパイスと塩を加え、軽く炒める(※この状態で冷凍保存も可能)
- 鶏肉を加えて表面を焼く
- 水を加えて10〜15分煮込み、牛乳を加える
- 仕上げに陳皮・花椒を加え、味を整える(※物足りない場合はスパイスではなく塩で調整)
- パクチーを添えて完成
調理のポイント
・陳皮、花椒は軽く煎ってからすり鉢で粉にする
・陳皮、花椒は香りが飛びやすいため、必ず仕上げに加える
・辛さを足したい場合はチリパウダーで調整(体質に合わせて)
スパイスカレーは「刺激のある料理」というイメージを持たれがちですが、
組み合わせ次第で、体をやさしく整える薬膳にもなります。
特に春は、「巡り」が整うだけで、驚くほど体も気分も軽くなる季節。
香りを活かすこと。
入れるタイミングを意識すること。
それだけで、いつものカレーが“整える一皿”に変わります。
「なんとなく重だるい」「気分がすっきりしない」
そんなときに、ぜひ試してみてください。

