薬膳師が台北で買うもの「迪化街編」

2026年4月、台湾・台北へ行ってきました。
台北を訪れると、薬膳好きとして必ず立ち寄りたくなるのが「迪化街」です。

古い建物が並ぶ通りには、漢方薬局や乾物店、お茶屋さん、香辛料店などがぎっしり。
店先には生薬や乾物、スパイスが山のように並び、歩いているだけでも「台湾の日常に根付く薬膳文化」を感じられます。

「これはどう使うんだろう?」
「この組み合わせ、日本でも応用できそう」

そんなことを考えながら歩いていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
薬膳を学んでいる人なら、かなり長居してしまう場所かもしれません。

特に面白いのは、日本では“特別な養生食材”のイメージがあるものが、台湾ではお茶やお菓子として自然に生活へ溶け込んでいること。
私は毎回この街で、お茶や生薬、台湾らしいお菓子などを購入しています。

なお、昔ながらの小さなお店では現金のみのお店もまだ多め。
気になるものを見つけた時のために、ある程度現金を持って歩くのがおすすめです。

今回は、迪化街で実際に購入したものを、薬膳的な視点も交えながら紹介したいと思います。
(2026年4月末レート:1台湾ドル=約5.06円で計算)

目次

仙楂果(サンザシ菓子)

仙楂果(サンザシ菓子)」 黄長生薬行で購入、60元(約304円)

まずテンションが上がったのがこちら。
「Taiwanese Hawthorn Candy」と書かれた仙楂果です。

仙楂(サンザシ・山査子とも言います)は、中医学では有名な消食薬。
特に「肉食・脂っこいものの消化を助ける」とされ、食積タイプの胃もたれによく使われます。

台湾旅行はどうしても食べ歩きが増えるので、こういうものが自然に売られているのが実に台湾らしいと思いました。

原材料を見ると、

・仙楂
・蔗糖
・塩
・米麩
・五香粉(小茴香・大茴香・丁香・川芎・白朮)

と、かなり本格派。

単なる“甘いお菓子”ではなく、ちゃんと理気・消食の配合なのが面白いところです。
特に川芎や白朮まで入っているのを見ると、「薬膳おやつ」の文化を感じます。

ほんのり酸味があり、後からスパイスが鼻を抜ける感じ。
疲れている時より、“食べすぎた後”に欲しくなる味でした。

茶葉蛋滷包

茶葉蛋滷包」 黄長生薬行で購入、150元(約760円)

台湾コンビニの定番として有名な茶葉蛋(台湾煮卵)。
今回はスパイスセットを購入しました。
「茶たまご煮込みのスパイスパック」と書かれています。

入っていたのは、

・茶葉
・八角
・肉桂
・肉豆蒄

というシンプル構成。

ですが、これが実に薬膳的。

八角や肉桂は「温中散寒(体を温めて冷えを追い出す作用)」、肉豆蒄は「温めながら胃腸を整える」、
つまり、「卵をおいしく煮る」だけではなく、“温めながら消化を助ける香り”として組み込まれているわけです。

台湾の料理は、香辛料の使い方が本当に上手だなと感じます。
単に香りづけではなく、「食べる機能性」まで含めて設計されている感じがあります。

潤喉茶

潤喉茶」 聯通貿易公司にて購入、150元(約760円)

中身は、

・菊花
・羅漢果
・大海子(胖大海とも言います)
・北沙参

という、乾燥ケアの配合。

特に羅漢果のやさしい甘みが入ることで、とても飲みやすい。
喉を使う人や、乾燥しやすい季節に良さそうなお茶でした。

日本だとこういうブレンドは専門店でしか見かけませんが、台湾では普通のお店に並んでいるのが羨ましいところです。

菊花青草茶

菊花青草茶」 漢方薬局 生元薬行にて購入、80元(約405円)

今回かなり“台湾らしい”と感じたのがこちら。

配合は、

・菊花
・金銀花
・麥冬
・薄荷
・茵蔯
・淡竹葉
・仙草
・甘草

完全に「清熱(熱を冷まし)・滋陰(潤いを補い)・解暑(暑さをやわらげる)」配合です。

台湾は湿熱を感じる気候なので、こうした青草茶文化が根付いているのだと思います。
暑い地域の養生って、本当に理にかなっています。

月餅の木型

「月餅の型」 高建桶店にて購入、250元(約1,267円)

そして漁師バッグで有名な、「高建桶店」にて月餅の木型も購入。

迪化街を歩いていると、こういう“道具”にも目が行ってしまいます。
将来、薬膳菓子を作る時に使いたいな、と夢が広がります。

その他購入したもの

ほかにも、

・菊花 150元(約760円)
・炒決明子 600g 70元(約355円)
・竜眼肉 240元(約1,216円)
・酸梅湯 60元(約304円)

なども購入しました。

特に炒決明子はお安くて驚きました。
日本で買うと結構高価なので、つい大量購入。

酸梅湯も、台湾らしさ満点。
烏梅系の酸味と独特の香りは、暑さで消耗した時に飲みたくなります。


実際に歩いて感じたのは、迪化街は単なる観光地ではなく、「薬膳の実践例」が詰まった場所だということ。

本で学んだ生薬が、
お茶になり、お菓子になり、スープになり、“生活の中で使われている”。

しかも配合を見ると、「なるほど、この組み合わせか」と勉強になることばかりです。

薬膳が好きな人なら、きっと何時間いても飽きません。
台北へ行くなら、ぜひゆっくり歩いてみてほしい場所です。

オマケ:今回登場した生薬の説明

■ 仙楂果(サンザシ菓子)

・仙楂(消食・肉の滞りを解消)
・蔗糖(補中・潤肺)
・塩(清熱・味の調和)
・米麩(脾胃をやさしく補う)
・五香粉
 ・小茴香(理気・胃の冷えを緩和)
 ・大茴香(温中・冷えによる腹部不調)
 ・丁香(温中・胃の冷え)
 ・川芎(活血・気血の巡り)
 ・白朮(補気・健脾・消化力サポート)

■ 茶葉蛋滷包

・茶葉(清熱・利尿)
・八角(温中・冷えによる腹部不調)
・肉桂(温裏・血行促進)
・肉豆蒄(温中・下痢や胃腸虚弱のケア)

■ 潤喉茶

・菊花(清熱・頭や目の熱を冷ます)
・羅漢果(潤肺・自然な甘みで喉を守る)
・大海子(清肺・声のケア)
・北沙参(滋陰・肺の潤い補給)

■ 菊花青草茶

・菊花(清熱・頭や目の熱を冷ます)
・金銀花(スイカズラの花、清熱解毒・炎症傾向)
・麥冬(オオバコの根、滋陰・体の潤い補給)
・薄荷(疏散風熱・すっきり感)
・茵蔯(清熱利湿・湿熱ケア)
・淡竹葉(清熱・除煩・熱を鎮める)
・仙草(清熱・体の余分な熱感)
・甘草(補脾益気・調和・全体のバランス)

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